食事・飲み物
上海の本帮菜をどう注文するか:老正興を例にした入門ルート
本帮菜の一食を四つの手順に分けます。まず濃油赤醤がどんな味の系統かを知り、次に紅焼き、川魚、青菜、スープで献立を組み、最後に時間と席の取り方を考えます。老正興のような老舗を例にします。
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老正興は上海の本帮菜のなかでも老舗の系統に属します。本帮菜は結局のところ、この街の家庭の味です。濃油赤醤といい、醤油と砂糖をたっぷり使い、紅焼きが献立の大半を占め、川魚は海の魚より格が上とされます。この作り方は、上海が開港したあとの旧市街一帯で形づくられました。これを一度の記念撮影の対象ではなく、一食の見本としてとらえると、はるかに段取りが立てやすくなります。
まず、この系統がどんな味かを知る
本帮菜の土台は、塩味と旨みに甘みが加わったものです。甘さは失敗ではなく方法です。砂糖は醤油に照りを与え、煮汁を食材に絡めます。糟鹵(酒糟の漬け汁)と酔製(酒漬け)はもう一つの系統で、夏に特に多く、味はずっと淡いので、紅焼きの合間に口を切り替える一品になります。
よくある食い違いが二つあります。想像より甘く、想像より油っこいということです。これはこの系統の料理の持ち味であって、どこか一軒の店の不手際ではありません。淡い味に慣れている人、甘いものを食べない人、脂を控えている人には一卓まるごとは合わないかもしれません。紅焼きを減らし、蒸し煮やあっさりした炒めものを増やすとよいでしょう。
名前も同じくらい重要です。上海の歴史のなかで「正興」を名乗った料理店は一軒だけではありません。今も似た屋号の本帮菜の店があり、さらに支店や運営主体の違いもあって、看板は一つの場所を指しているわけではありません。出発前にどこの店か確認してください。
そのまま真似できる献立の構成
先に構成を決めてから具体的な料理名を見るほうが、献立を一つずつ眺めて選ぶより手間がかかりません。四つの枠をそれぞれ一つずつ埋めます。
- 紅焼きを主力として一、二品。 紅焼肉、油爆蝦、紅焼划水といったものが、その店の系統を最もよく示します。
- 川魚か特色ある一品を一つ。 青魚の肝(禿肺)や草頭圈子(豚の大腸とウマゴヤシ)は古い作り方で、その日の入荷次第です。
- あっさりした炒め青菜を一つ。 これは数を埋めるためではありません。紅焼きが続くと、味覚はすぐに鈍ります。
- スープか汁物を一つ。 本帮菜のスープはたいてい重くなく、いくつかのタレの間を調える役割をします。
人数が少ないときにこの構成で頼むと多すぎます。紅焼きか川魚のどちらかを一品減らすとちょうどよくなります。
| 人数 | 注文の目安 | 合う場面 |
|---|---|---|
| 二人 | 紅焼き一品に青菜一品、必要ならスープ | 手早い昼食 |
| 三、四人 | 肉料理二品、川魚一品、野菜一品、スープ一品 | 本帮菜を初めて味わう |
| 六人以上 | 前の行に冷菜と蒸し煮の一品を加える | 家族での会食 |
料理名、量、価格は店ごとに違い、献立もよく改訂されるので、ネットで見た一人当たりの金額は参考程度にとどめ、入店後にその日の献立で確認してください。
配膳のテンポと、よくある勘違い
本帮菜に厳密な順番はありません。たいてい冷菜が先に出て、紅焼きと川魚が交互に来ます。管理すべきなのはテンポです。紅焼きが続けて出ると、三品目で飽きてきます。店員に分けて出してもらうよう頼めます。
初めてのときに犯しやすい誤りが三つあります。一つ目は、紅焼きのタレを無視できる付け合わせと見なすことです。実際にはそれがこの食事の主体で、麺類より白いご飯を合わせるほうが理にかなっています。二つ目は量を軽く見ることです。本帮菜は一人前単位で売られ、皿は小さくなく、二人で四品頼めばたいてい食べ切れません。三つ目は「老舗」を「静かで洗練されている」ことと同一視することです。実際にはにぎやかな昔ながらの店に近く、円卓、白いテーブルクロス、卓の間隔は狭く、話し声は大きめです。
会計はたいてい入口のレジで、卓上のQRコード読み取りも一般的です。支払いの習慣については支払いとお金のガイドを参照してください。
時間帯、待ち時間、季節
昼の部は夜よりずっと気楽です。十一時半前に入るか、十三時以降に入れば、たいていすぐ座れます。週末と祝日の夜の部が最も長く待ちます。注文から食べ終わるまで、一時間から一時間半を見ておいてください。
季節は献立を変えます。蟹粉や蟹料理は秋、糟鹵は夏、川魚はその日の仕入れ次第、時価の料理は市場に合わせて動き、年によっても同じではありません。これらの料理がいつでもあるとは限らないので、席に着いたら先に確認してください。
注文の言い回し、取り箸、「勘定は最後に」といった習慣については、中国の食事とマナーのガイドのほうが詳しく書いています。
誰に向くか、向かないか
上海に初めて来て、地元の料理がどんな味かを知りたい人に向きます。三、四人で一緒に来て何品か分けながら頼める小規模なグループにも、気取らない家庭料理を一食食べたいだけの人にも向きます。
厳格なベジタリアンにはあまり向きません。この系統の野菜料理にはラードや出汁が入るのが普通です。甘いものを食べない人や油を厳しく控えている人にもあまり向きません。静かな雰囲気や写真映えのする場面を求める人にもあまり向きません。
最後に一点。看板料理の評判は、その日の出来を約束するものではありません。合わない料理があればその場で言うほうが、後から文句を言うより役に立ちます。